非常に優れた人材がたくさん居れば、会社は儲かるか?

非常に優れた社員がたくさん居れば、会社は儲かるか?

ここで大切なことは「優れた社員」という定義です。
どんな社員の事を優れた社員と言うのでしょうか?

ある会社の社長は、「俺の言う事をやってればいい」と言います。
だから、真面目な奴が良いと!
そして、真面目そうな人を採用します。
見るからに真面目そうです。ある程度の仕事もこなせます。
しかし、顧客からのイレギュラーな要望に対しては「臨機応変」に対応する事は出来ませんでした。

その彼を、社長は「あいつは臨機応変に対応する事が出来ないダメな奴」と評価します。そして、「自分で考えて行動出来ない奴だ…」と言い放つ。

そのように言われた彼が「頑張ろう」という気持ちになるでしょうか?もちろん、叱咤激励しているのかも知れませんが、「出来ない奴」と言われた人はモチベーションが下がる一方です。見た目も、中身も、真面目な人です。言われた事はソツなくこなします。でも、自分自身で考えて、最適な結果に結び付けるための判断と行動は苦手な人なのです。

人には、長所もあり、短所もありますし、得手不得手もありますから。

能力を引き出す

会社の中での仕事は、様々な役割りがあって、その役割に合う人材を適材適所配置する事が必要です。スポーツでもポジションがあるように、会社にも各自のポジションが必要です。その為には、この人材の能力と可能性の両面からと周りの人材との連携を考えながら、配置を決めていく必要があります。
また、会社ですと色んな理由で人材が流出するものですから、その流出に対してのリカバリーを考えた人材配置と経験を積ませておく必要があります。

なぜ、この経験を積ませる必要があるのか?

そもそも、人は変化を嫌う生き物です。脳にある「安定性」と言う部分。煙草を止めれない人もそうです。身体に悪いと解っていても止められない。でも、値段が上がったから… 身体に悪いから… 止めようか?と禁煙したりするのが、「可塑性」という部分。

人は変わりたい!という欲求も兼ね備えているんです。

今よりも仕事が出来る人材になりたい…
でも、新しい仕事を憶えるのはちょっと…

大きく変化する事を嫌うのですが、少しずつの変化なら変化したいという性質を持ち合わせているのが、我々人間なんです。その為には、毎日毎日 コツコツと少しずつの変化を頭と身体に染み込ませる必要があるので、会社の中でも「経験」を積ませる必要があるのです。

もちろん、この「経験を積む」には「失敗」が付き物です。
その失敗をガミガミ言う人がいますが、これでは果敢にチャレンジしようと思いませんし、やはり変化しないでおこうと判断して、仕事が上達しないばかりか会社を辞めてしまう事があります。

これだけの人材不足の時代、入社してくれた人材を如何につなぎとめておけるか、どのように人に能力を発揮して貰うのか、企業は今までの固定概念を捨てて、人材育成に取り組む必要があるのではないでしょうか。