継続組織の条件

強いチームにあるもの

どんなスポーツでも勝ち続けることは非常に難しい、学生スポーツであれ、アマチュアであれ、プロスポーツの世界でもそうだと思う。
そんな中でも、常勝軍団と呼ばれ、勝ち続ける「最強なチーム」がある。

そんな「最強チーム」は、他のチームと何が違うのだろう?

会社という組織のコンサルティングを生業にしている私にとっては非常に興味がそそられるわけで、様々なスポーツをチェックし、そのチームのコーチングやチームマネジメントを調べて来た。

そして、今回は「強いチームにある3つのテーマ」をあげて考えてみようと思う。

これは、スポーツという分野と違う、我々の活動領域である「企業・会社・事業・店舗・工場」という領域でも共通項があると思うので、皆さんも、自社に置き換えて考えてみて欲しい。

個のチカラを活かす

どんな組織に属しても「自分の能力」を発揮させることは、そこに参加する上で「最低限やるべき事」であることは、誰もが分かっていることだと思う。しかし、人には「好調」と「不調」というものが誰にでもあるので、以下に自分の「好調」を維持させるのか、そして、さらに好調さのレベルを上げるための努力が必要とされる。

しかし、自分の能力を発揮できない人がいるのも事実。

組織に上手く溶け込めない。他のメンバーとのコミュニケーションが取れない。精神的なストレスが強い。などなど理由は様々あるが、自分の能力を発揮させるのは「個人の問題」と「組織の問題」という2つの側面があることが分かった。
個人の問題とは、自分自身が能力を発揮するに至って「やるべきことを真摯に行う」ことで、それほど問題なく解決できるが、組織の問題となると、話は少し複雑になる。理由は簡単、個人の能力を発揮させるための関係者が多くなればなるほど、一人一人の思惑が関係して「個の能力」を阻害してしまうからだ…

特に、協会やマネジメント(管理者)、フロントなどなど、本来チームが現場で勝ち続けるために必要なバックアップをする人たちが現場の監督やコーチ陣に口出しし過ぎることがある。このような状況下では、「個の能力」が発揮出来ない。個の能力を発揮させるには、個人を尊重して「一人一人に任せた領域」を侵さないことが必要だ。(もちろん、与えられた職務に対して最大限の成果を生むべく責任を全うすることは当然である)

チームワーク力を高める

自分自身の能力を最大限に発揮し自分が活躍することを「自活」といい、自分以外の人の能力を最大限に引き出して活躍させることを「他活」と言います。 たびたび、職場の上司の方が使う言葉に「自分でやった方が早い」というフレーズがありますが(様々な状況でいろいろと理由もあるのでしょうが)常にそのような状態では部下が能力を発揮するどころか、成長すらしない仕組みになっていることに気付いているでしょうか?

上司から見て、部下の仕事の進め方やスピードや細部にわたるまでのきめ細かさなど、上司のあなたが「納得」出来るレベルに無いから、自分がやってしまうのでしょうが、部下を活躍できる人材にすることが上司が評価される一部分でもあります。部下を活躍させるためには、その部下を活かせる周りのスタッフとの連携が必要です。そして、常に起きるイレギュラーに対してチーム全体でリカバリー出来るようにしておくことも必要です。

組織において高いチームワークが求められるのは、常にイレギュラーに対してリカバリー出来るようにしておくことで、痛手を最小限に食い止める事も出来るし、瞬時に、形成逆転(ターンオーバー)できる。その為のメンタルとフィジカルと連携がチームワークです。

組織のチカラ

個人のチカラとチームワークが兼ね備えられているチームは当然組織としてのチカラも強くなります。
この組織のチカラが強くなれば、また、個人のチカラを伸ばせれる環境を用意することが出来るようになります。個人のチカラをチームワークに活用出来ると、またさらにチームワーク力が高まり、結果的に組織のチカラが強くなって行く…といった具合に。非常にプラスのループが形成され始めるのです。

このループ形成が「強い組織」のベースにあるものです。

では、弱いチームとはこの逆のループ形成が為されているわけですね…
ざっくり表すと

このような流れでしょうか…

どこか大企業の不祥事発生にも似ているこの流れ…

決して、大企業だけに起こることではなく中小零細企業にでも常に起こりうることですね。

こんな流れの会社では「次世代に引き継ぐ」ことは出来ないのです。

自らを「磨き続ける組織」でありたいものです。

生産性の高い組織をつくるために変化させる4つのポイント

生産性の低い組織によくある思考

最近、労働時間を短くして生産性を高めるという言葉を良く聞くようになりましたね。残業したらダメ、家に持って帰ってもダメ、人員不足の中どうすればいいんだ?と悩む管理職が増えました。企業では様々な取り組みを行っている事だと思いますが、先日ある社長が仰っていた言葉が印象的でした。

生産性を上げるにはどうしたらいいのかと考えたら、今の社員をもっと働かせればいいんだ!給料はそのままで、仕事のスピードを上げさせれば良い、今までが遅かったんだから。

その会社の業務内容が分からないので何とも言えませんが、この言葉を聞いて、正直、しっくり来ない感じがしました。

今までが遅かったんだから…という今までを管理し、認めていたのは社長であるあなたではないのでしょうか?給料がそのまま仕事のスピードを上げろ!と言われた社員さん達は、どんな感情を抱くのでしょう…

精神的安定を感じる場所を用意する

組織というものには、色々な価値観を持った個人が集まります。その集合した場所で「自分自身の安全性」を感じれるか?感じれないか?で、その人が発揮できる能力には雲泥の差があります。

誰もが経験したことがあるとは思いますが、初めてアルバイトに行った時、どこに居れば良いのか?何をすればいいのか?休憩に行って良いのか?誰に質問すればいいのか?分からない事ばかりで、「不安」を感じながら緊張した初日がある事だと思います。

この初日のような緊張感は、次第に薄れ、一緒に仕事をする人達とも談笑が出来るぐらいにまでなった時には、自分の居場所をが見つかった時だと思うんです。

この自分の居場所を少しでも早く見つけれるように組織側の人達に出来ることは無いでしょうか?

ウェルカムウィーク(新人さんが入社した時にみんなで迎える仕組み)
エスコートスタッフ(社内業務を伴走しながら教える担当者)
歓迎会などもその一つでしょう。

いち早く、組織のメンバーとして「能力を発揮」して貰わないと、組織としては「機会の損失」を長引かせている状態に他なりません。

切磋琢磨できる仲間がいる組織づくり

居場所を確保した後は、自分の能力を発揮しさらなるステージへと進化成長して貰う事が組織が求める事です。それに重要なのは、正しいライバルの存在です。 お互いがお互いを尊重し、相手に敬意を持って接する。このような関係を築いている組織は、非常に明るく笑顔が絶えません。

その逆でよくあるのが、「足を引っ張る関係」… 相手を罵り、相手の失敗ばかりを責め立てる。このような組織は陰険で、責任の擦り付け合いばかりで、無責任な言動が目立ち、個人も組織の成長や進化も遅らせてしまいます。

自社のライバル会社とは、常に競争です。マーケットで相手と戦う前に自分達の組織内でまとまれない会社が勝てるはずがありません。

組織を大切にできる人の集まりにする

自分が所属する組織がマーケットから必要とされているかどうか?
どれだけのファンがいるか?
どれだけ応援してくれる人たちがいるのか?

ただ、目的も無く意味も無く、自分が生活するためにだけ働いているとするならば、その程度のエネルギーしか出せていないでしょう。

本当はもっと能力がある人なのに。

自分が所属する組織に対して「愛情」が持てない人から商品やサービスを提供されても、顧客は喜びませんよね。
もう、顧客は購入したり所有することで満足しない時代です。どんな商品でもサービスでも「共感」出来なければ、継続的購買には至らないのですから。

自分が所属している組織や会社、自分が販売している商品やサービス、自信を持って顧客に進めれない仕事で、その人が進化・成長するでしょうか?

組織側としては、一緒に働く仲間には「自社ブランド」の構築に対して、もっともっと理解して貰えるような仕組みや仕掛けが必要だと思うんですよね。

結果的に、自分が所属する組織が大好きで、提供する商品やサービスにも自信があって、一緒に働く仲間にも「愛」がある。言葉にするとこそばい感じもしますが、これってめちゃくちゃ大切な事だと思います。

ひとりひとりが人生を豊かにするという思いがある

生産性を高めるという事は、そこに所属する人たちが様々な課題や問題を克服する取り組みの中にあると思うんです。

冒頭の社長の言葉のように「やらせる」ものではなく、自分たち自身で必要に応じて取り組む事であって、その取り組みそのものは「顧客満足」を求めるものでもあるし、「従業員満足」を高めるものでもある。
1日24時間の殆んどを仕事に費やすんだから、その仕事を行う組織は楽しい場所でなければダメ。ムリ・ムダ・ムラは、誰かにシワ寄せが行くだけで、その人が居なくなるとたちまち廻らなくなる。これでは組織とは言えない。

組織に属する人、一人一人が心身ともに安心して人生を豊かさを感じれる場所。

こんな場所こそが、「真の生産性」を高める場所なんだと私は思うんです。

Z世代を活かすための職場での世代間ギャップを埋める方法

組織コンサルという仕事柄、企業の社員さん達と話する機会は必然的に多くなるのですが、その社員さん達の年齢層の幅は20代~60台 実に40歳の年の差がある。親子の年齢差だけでなく、孫世代と一緒に仕事を進めることになる。10年も間があけば当然知っている事も使っているモノも違って当たり前…
今や当たり前に使われるツイッタ―がちょうど15年ほど前に普及し出したが、当時小学生・中学生の子達が、今や社会に出て仕事をしている。彼等彼女達が「空気のように」使いこなしているソーシャルネットワークは、情報の伝達形態を変え、今この瞬間という「リアル」を受発信出来る。社会に出まわる情報量が桁違いに増えた。
情報量が増えるという事は、良い事も悪い事も「知る」ことができ、自らが「確認」することが出来る。

今の若い奴らはという前に…

変化を受け入れる

人は変化を受け入れにくい…という事は、脳科学の分野では、もうすでに定説になっている。

変わりたくないのだ…

いつもの通りを歩いて、いつもの場所について、いつもの仕事をして、いつもの居酒屋で…いつも愚痴をこぼす。(笑)自分の一日を改めて思い起こすと、まぁなんとルーティンの如く、同じ事を繰り返しているのかと思う。
しかし、時代は常に変化しており、それに合わせて社会も変化し続けている。そんな中、企業という組織も「変化」を受け入れない事には、顧客への対応が出来ない。

インターネットが出始めたころ… 誰もが言っていたことがある。

「ネットでモノは買わないよ」

だが、実際にはどうでしょうか? 楽天・ヤフー・Amazon・ZOZOなどなど、今やネットでしかモノを買わない人が増えて来ているという事実。
昔、企業はこぞって、ホームページを作成した時代がありましたね。(会社案内をネット上に載せただけのものばかりでしたが…)今の時代とこれからの時代に必要なチェンジは何かを考えましょう。

変わるものと変えないもの

では、どこの会社もホームページを作成したか?というとそうでもない。大阪のある老舗の和菓子屋さんなんか、店構えもそのまま、製法もそのまま、販売方法もそのまま、営業時間もそのまま。でも毎日営業前から行列が出来ている。

そして、毎日「売り切れ」の看板が…

お店は何も変わっていないのに、顧客の持っているモノが変わった。みんなスマホを片手に持ち… 行列に並んでいる写真をインスタにアップし、

(行列が綺麗に並べるように囲む)

やっと買えた「幻のあんこ餅」をドアップで撮影し、一口食べた感想をSNSでライブ発信。

幻のあんこ餅の実況中継…お店の営業スタイルは昔ながらのスタイルのまま「何も変えない」のに、並ぶ顧客のスタイルはどんどん変わる。

受け取り方が変われば伝え方も変えないといけない

こんな変化が、北は北海道・南は沖縄まで端の端でも起きているし、世界中で起きている。実際、グーグルアースで地球を拡大しながら見て行けば、エジプトのピラミッドの前にKFC(ケンタッキーフライドチキンのお店があることも分かる)

実際に行って見なければ、観る事が出来なかったものまで「確認」することが出来てしまう。

そして、良いか悪いかではなく、その情報を「信じてしまう」のも現実社会でのありようだと思う。特に、情報そのものが簡単に手に入ることを「簡単」とも思っていない世代の人にとっては…

間違った情報であっても、それをネットで見ただけで「確認」として終わっている。より深く「確認」する事も無く… ネット社会・ソーシャル社会の怖い部分でもある。

そのような側面もあることを理解しつつ、我々、企業という組織は、組織の仲間たちとの情報共有の方法も考えないといけない。

便利だからという理由だけで、簡単にグループを作ってしまって情報漏洩に繋がってしまっては顧客からの信頼を失いかねない。

情報そのものの「価値」に対しての捉え方が、世代間で違うという事は、次なる可能性を秘めている半面、大きな「リスク」であるという事も理解しておかなければ組織の目的そのものを破壊しかねない。

その為にも…

Z世代の人たちのことや世代間ギャップも理解し、常に新しい世代の「価値観」というものには意識を向けておきたい。

Z 世代会議

https://www.z-kaigi.com/

どうする?イラっとさせる人とうまくやる4つの対策

どうする?職場でイラッとさせる人

どの職場でもかも知れませんが、「少し空気感が違う人」や「他の人と同じような動きをしない人」っていますよね。そのような人が居ると、職場で働く多くの人たちは「なんで、そうなるの?」「なんで、そうしちゃうの?」と、スムーズに仕事がしたいのに、その流れを中断されたり、二度手間・三度手間の状況が起こったり、生産性を高めるどころか、その人が居る事で「生産性が落ちてしまう」なんて事が起きている職場からのSOSがあるのも事実です。

では、職場でスムーズな流れを断ち切ってしまう人と一緒に上手くやって行くにはどうすればいいのでしょうか?

なぜ、採用したの?

そもそもですが… なぜ、その人を採用したのか?

返ってくる答えは様々ですが、一番多いのは「ちょっと違うかな…と思ったけど、人が足らなかったから採用した」というものが一番多い返答です。その他には、「経験者だったから」「紹介されて断れなかった」「昔はこんな感じではなかった」(営業サービス)

どの仕事をやってもらう前提で採用したのか?

大体、この仕事全般…
この業界ではこの立場の人はこれぐらいの仕事をするという「暗黙の…」というのがあって…
経験があるなら「教えなくても」大体、分かるはず。(サービス業)

仕事の範囲は明確になっているか?

仕事の範囲というものは無いです。なんでもやる。出来ないとダメ。
自分で考えて、「今、なにをすべきか」考える。普通、見ててわかる。

我々の業界は、製造業のように「機械を動かして行う作業ではないので…」
周りの状況を良く見て対応するもの。

と思っていませんか?

連携するための方法は教えているか?

仕事とは、多くの人たちの連携で成り立っているが、自分が行う仕事の前の人から引き継いだものを「確認」する作業も必要であり、その上で自分の責任において「やるべき事」を行い、次の人へ引き継ぐ。その時には、必ずコミュニケーションが発生する訳で、問題はそのコミュニケーションが成立しているのかどうか…。

コミュニケーションとは、何も面と向かって話をする以外にも「方法」はたくさんあって、引き継ぎノートもそうだし、
なにか理解しあえるマークなんかもそれに当たる。職場で決まった掛け声なんかもそう(決まった時間に休憩が取れない美容室でよく使われるトイレ休憩や昼食休憩)もちろん、出勤時や退勤時の「あいさつ」なんかも礼儀でもあるけど、コミュニケーション。

では、問題の「イラッとさせる」人との仕事の中で、このコミュニケーションは上手く機能しているのか?という問題が浮かび上がってくる。 そもそも、少し人と違う視点だったり、仕事とに対する「意識レベル」に違いがあったり、仕事の能力にも違いがある。

相手がそのような状況という事が分かっているなら尚の事、より一層のコミュニケーション量が必要になってくる。

知らないから出来ないのか?
憶える能力が足りないのか?
仕事に対する意識が低いのか?

コントロールできているか?

職場で起きる問題の相談を受けていて良くあるのが、「あの人さえ居なければもっとスムーズに仕事が出来る」というもの。

対象が「人」なんですよね。
「仕事」ではなく…

他人に対しては自分でコントロール出来ないですよね。でも、仕事の仕組みを作り上げる事は自分でコントロール出来ます。コントロール出来る事に注力する方が「良い結果」は生まれやすいと思うんです。

本当は、みんな「楽しく仕事」がしたいはずだから。

その為に必要になってくるのは、職場で楽しく仕事ができるルールやマニュアル、そして企業文化。これを形作っていくと働く人同士の「共感」が芽生え、その共感の渦には「お客様」も巻き込まれて行く。

これがマーケットに広がって行くと「ブランド」と認知されるので、どんどん人が集まってくる。

素晴らしい企業がまた一つ増えるという正しいループになるでしょう。