組織

生産性の高い組織をつくるために変化させる4つのポイント

生産性の低い組織によくある思考

最近、労働時間を短くして生産性を高めるという言葉を良く聞くようになりましたね。残業したらダメ、家に持って帰ってもダメ、人員不足の中どうすればいいんだ?と悩む管理職が増えました。企業では様々な取り組みを行っている事だと思いますが、先日ある社長が仰っていた言葉が印象的でした。

生産性を上げるにはどうしたらいいのかと考えたら、今の社員をもっと働かせればいいんだ!給料はそのままで、仕事のスピードを上げさせれば良い、今までが遅かったんだから。

その会社の業務内容が分からないので何とも言えませんが、この言葉を聞いて、正直、しっくり来ない感じがしました。

今までが遅かったんだから…という今までを管理し、認めていたのは社長であるあなたではないのでしょうか?給料がそのまま仕事のスピードを上げろ!と言われた社員さん達は、どんな感情を抱くのでしょう…

精神的安定を感じる場所を用意する

組織というものには、色々な価値観を持った個人が集まります。その集合した場所で「自分自身の安全性」を感じれるか?感じれないか?で、その人が発揮できる能力には雲泥の差があります。

誰もが経験したことがあるとは思いますが、初めてアルバイトに行った時、どこに居れば良いのか?何をすればいいのか?休憩に行って良いのか?誰に質問すればいいのか?分からない事ばかりで、「不安」を感じながら緊張した初日がある事だと思います。

この初日のような緊張感は、次第に薄れ、一緒に仕事をする人達とも談笑が出来るぐらいにまでなった時には、自分の居場所をが見つかった時だと思うんです。

この自分の居場所を少しでも早く見つけれるように組織側の人達に出来ることは無いでしょうか?

ウェルカムウィーク(新人さんが入社した時にみんなで迎える仕組み)
エスコートスタッフ(社内業務を伴走しながら教える担当者)
歓迎会などもその一つでしょう。

いち早く、組織のメンバーとして「能力を発揮」して貰わないと、組織としては「機会の損失」を長引かせている状態に他なりません。

切磋琢磨できる仲間がいる組織づくり

居場所を確保した後は、自分の能力を発揮しさらなるステージへと進化成長して貰う事が組織が求める事です。それに重要なのは、正しいライバルの存在です。 お互いがお互いを尊重し、相手に敬意を持って接する。このような関係を築いている組織は、非常に明るく笑顔が絶えません。

その逆でよくあるのが、「足を引っ張る関係」… 相手を罵り、相手の失敗ばかりを責め立てる。このような組織は陰険で、責任の擦り付け合いばかりで、無責任な言動が目立ち、個人も組織の成長や進化も遅らせてしまいます。

自社のライバル会社とは、常に競争です。マーケットで相手と戦う前に自分達の組織内でまとまれない会社が勝てるはずがありません。

組織を大切にできる人の集まりにする

自分が所属する組織がマーケットから必要とされているかどうか?
どれだけのファンがいるか?
どれだけ応援してくれる人たちがいるのか?

ただ、目的も無く意味も無く、自分が生活するためにだけ働いているとするならば、その程度のエネルギーしか出せていないでしょう。

本当はもっと能力がある人なのに。

自分が所属する組織に対して「愛情」が持てない人から商品やサービスを提供されても、顧客は喜びませんよね。
もう、顧客は購入したり所有することで満足しない時代です。どんな商品でもサービスでも「共感」出来なければ、継続的購買には至らないのですから。

自分が所属している組織や会社、自分が販売している商品やサービス、自信を持って顧客に進めれない仕事で、その人が進化・成長するでしょうか?

組織側としては、一緒に働く仲間には「自社ブランド」の構築に対して、もっともっと理解して貰えるような仕組みや仕掛けが必要だと思うんですよね。

結果的に、自分が所属する組織が大好きで、提供する商品やサービスにも自信があって、一緒に働く仲間にも「愛」がある。言葉にするとこそばい感じもしますが、これってめちゃくちゃ大切な事だと思います。

ひとりひとりが人生を豊かにするという思いがある

生産性を高めるという事は、そこに所属する人たちが様々な課題や問題を克服する取り組みの中にあると思うんです。

冒頭の社長の言葉のように「やらせる」ものではなく、自分たち自身で必要に応じて取り組む事であって、その取り組みそのものは「顧客満足」を求めるものでもあるし、「従業員満足」を高めるものでもある。
1日24時間の殆んどを仕事に費やすんだから、その仕事を行う組織は楽しい場所でなければダメ。ムリ・ムダ・ムラは、誰かにシワ寄せが行くだけで、その人が居なくなるとたちまち廻らなくなる。これでは組織とは言えない。

組織に属する人、一人一人が心身ともに安心して人生を豊かさを感じれる場所。

こんな場所こそが、「真の生産性」を高める場所なんだと私は思うんです。

Z世代を活かすための職場での世代間ギャップを埋める方法

組織コンサルという仕事柄、企業の社員さん達と話する機会は必然的に多くなるのですが、その社員さん達の年齢層の幅は20代~60台 実に40歳の年の差がある。親子の年齢差だけでなく、孫世代と一緒に仕事を進めることになる。10年も間があけば当然知っている事も使っているモノも違って当たり前…
今や当たり前に使われるツイッタ―がちょうど15年ほど前に普及し出したが、当時小学生・中学生の子達が、今や社会に出て仕事をしている。彼等彼女達が「空気のように」使いこなしているソーシャルネットワークは、情報の伝達形態を変え、今この瞬間という「リアル」を受発信出来る。社会に出まわる情報量が桁違いに増えた。
情報量が増えるという事は、良い事も悪い事も「知る」ことができ、自らが「確認」することが出来る。

今の若い奴らはという前に…

変化を受け入れる

人は変化を受け入れにくい…という事は、脳科学の分野では、もうすでに定説になっている。

変わりたくないのだ…

いつもの通りを歩いて、いつもの場所について、いつもの仕事をして、いつもの居酒屋で…いつも愚痴をこぼす。(笑)自分の一日を改めて思い起こすと、まぁなんとルーティンの如く、同じ事を繰り返しているのかと思う。
しかし、時代は常に変化しており、それに合わせて社会も変化し続けている。そんな中、企業という組織も「変化」を受け入れない事には、顧客への対応が出来ない。

インターネットが出始めたころ… 誰もが言っていたことがある。

「ネットでモノは買わないよ」

だが、実際にはどうでしょうか? 楽天・ヤフー・Amazon・ZOZOなどなど、今やネットでしかモノを買わない人が増えて来ているという事実。
昔、企業はこぞって、ホームページを作成した時代がありましたね。(会社案内をネット上に載せただけのものばかりでしたが…)今の時代とこれからの時代に必要なチェンジは何かを考えましょう。

変わるものと変えないもの

では、どこの会社もホームページを作成したか?というとそうでもない。大阪のある老舗の和菓子屋さんなんか、店構えもそのまま、製法もそのまま、販売方法もそのまま、営業時間もそのまま。でも毎日営業前から行列が出来ている。

そして、毎日「売り切れ」の看板が…

お店は何も変わっていないのに、顧客の持っているモノが変わった。みんなスマホを片手に持ち… 行列に並んでいる写真をインスタにアップし、

(行列が綺麗に並べるように囲む)

やっと買えた「幻のあんこ餅」をドアップで撮影し、一口食べた感想をSNSでライブ発信。

幻のあんこ餅の実況中継…お店の営業スタイルは昔ながらのスタイルのまま「何も変えない」のに、並ぶ顧客のスタイルはどんどん変わる。

受け取り方が変われば伝え方も変えないといけない

こんな変化が、北は北海道・南は沖縄まで端の端でも起きているし、世界中で起きている。実際、グーグルアースで地球を拡大しながら見て行けば、エジプトのピラミッドの前にKFC(ケンタッキーフライドチキンのお店があることも分かる)

実際に行って見なければ、観る事が出来なかったものまで「確認」することが出来てしまう。

そして、良いか悪いかではなく、その情報を「信じてしまう」のも現実社会でのありようだと思う。特に、情報そのものが簡単に手に入ることを「簡単」とも思っていない世代の人にとっては…

間違った情報であっても、それをネットで見ただけで「確認」として終わっている。より深く「確認」する事も無く… ネット社会・ソーシャル社会の怖い部分でもある。

そのような側面もあることを理解しつつ、我々、企業という組織は、組織の仲間たちとの情報共有の方法も考えないといけない。

便利だからという理由だけで、簡単にグループを作ってしまって情報漏洩に繋がってしまっては顧客からの信頼を失いかねない。

情報そのものの「価値」に対しての捉え方が、世代間で違うという事は、次なる可能性を秘めている半面、大きな「リスク」であるという事も理解しておかなければ組織の目的そのものを破壊しかねない。

その為にも…

Z世代の人たちのことや世代間ギャップも理解し、常に新しい世代の「価値観」というものには意識を向けておきたい。

Z 世代会議

https://www.z-kaigi.com/

誰もが優れた人材になるための能力を引き出す方法

非常に優れた人材がたくさん居れば、会社は儲かるか?

非常に優れた社員がたくさん居れば、会社は儲かるか?

ここで大切なことは「優れた社員」という定義です。
どんな社員の事を優れた社員と言うのでしょうか?

ある会社の社長は、「俺の言う事をやってればいい」と言います。
だから、真面目な奴が良いと!
そして、真面目そうな人を採用します。
見るからに真面目そうです。ある程度の仕事もこなせます。
しかし、顧客からのイレギュラーな要望に対しては「臨機応変」に対応する事は出来ませんでした。

その彼を、社長は「あいつは臨機応変に対応する事が出来ないダメな奴」と評価します。そして、「自分で考えて行動出来ない奴だ…」と言い放つ。

そのように言われた彼が「頑張ろう」という気持ちになるでしょうか?もちろん、叱咤激励しているのかも知れませんが、「出来ない奴」と言われた人はモチベーションが下がる一方です。見た目も、中身も、真面目な人です。言われた事はソツなくこなします。でも、自分自身で考えて、最適な結果に結び付けるための判断と行動は苦手な人なのです。

人には、長所もあり、短所もありますし、得手不得手もありますから。

能力を引き出す

会社の中での仕事は、様々な役割りがあって、その役割に合う人材を適材適所配置する事が必要です。スポーツでもポジションがあるように、会社にも各自のポジションが必要です。その為には、この人材の能力と可能性の両面からと周りの人材との連携を考えながら、配置を決めていく必要があります。
また、会社ですと色んな理由で人材が流出するものですから、その流出に対してのリカバリーを考えた人材配置と経験を積ませておく必要があります。

なぜ、この経験を積ませる必要があるのか?

そもそも、人は変化を嫌う生き物です。脳にある「安定性」と言う部分。煙草を止めれない人もそうです。身体に悪いと解っていても止められない。でも、値段が上がったから… 身体に悪いから… 止めようか?と禁煙したりするのが、「可塑性」という部分。

人は変わりたい!という欲求も兼ね備えているんです。

今よりも仕事が出来る人材になりたい…
でも、新しい仕事を憶えるのはちょっと…

大きく変化する事を嫌うのですが、少しずつの変化なら変化したいという性質を持ち合わせているのが、我々人間なんです。その為には、毎日毎日 コツコツと少しずつの変化を頭と身体に染み込ませる必要があるので、会社の中でも「経験」を積ませる必要があるのです。

もちろん、この「経験を積む」には「失敗」が付き物です。
その失敗をガミガミ言う人がいますが、これでは果敢にチャレンジしようと思いませんし、やはり変化しないでおこうと判断して、仕事が上達しないばかりか会社を辞めてしまう事があります。

これだけの人材不足の時代、入社してくれた人材を如何につなぎとめておけるか、どのように人に能力を発揮して貰うのか、企業は今までの固定概念を捨てて、人材育成に取り組む必要があるのではないでしょうか。